2009年12月25日

No.32

ご無沙汰しております。
2009年も残りわずかとなりました。
今年は「グーグル図書館」問題や国立国会図書館蔵書の電子公開を可能にする法改正が行われ、本をめぐる世界を大きく変えるかもしれない「大地震」の鳴動のように感じました。
あとから振り返れば、2009年が転換点だった−と思うのかもしれません。
古本の世界が今後どうなるのか不安でいっぱいですが、一古本屋は淡々と日々収書にはげむのみです。

今回も補足点をいくつか。

まずは「マイナー文庫」が3点ほど。
「世界名著梗概叢書」は、海外文学のダイジェストもの。「アカギ叢書」の成功を見ての、後追い企画ですね。
大正11年から12年にかけて21冊ほど刊行されたようです。
抄訳文庫が流行するのを憂えた新潮社が、「全訳」を売りにする新潮文庫を創刊するに至るのは皆さん御存知の通り。

「大学書林文庫」は対訳。現在の「大学書林語学文庫」の前身と考えて良いでしょう。
昭和12年創刊で18年にいったん休止。戦後、昭和23年、装いを新たにして再刊されました。
今回御紹介するのは戦後版。

「汎美文庫」は、調べてみたけれどよくわかりません。
昭和23年の奥付で、紙質や製本の悪さから、いかにも「戦後乱立した文庫の一つ」という感じです。

古い文庫、とくに戦前は、刊行途中で打ち切られ、未刊に終わった作品が多いのは皆さんよく御存知の通りですが、世界名作文庫・イバニェスの「黙示録の四騎士」もそのひとつ。
全三巻の予定だったようです。
この作品、戦前と戦後の2回映画化されており、あちらでは結構有名な作品なのでしょうか?
邦訳はこの一冊しかないのが残念です。

第三次新潮文庫・ストリンドベリの「痴人の告白」は珍しい。当店初登場です。
ただ、作品としては山室静の訳もあり、また、この文庫と同じ三井光彌の訳も新潮社の世界文学全集に収められていますけれど。

同じく第三次新潮文庫のトルストイ「幼年・少年」は、珍しくもないおなじみの作品ですが、江馬修の訳はあまりないのでは。
江馬修の翻訳は3点ほどしかないようで、トルストイを訳したのはこの1冊だけです。

河出文庫「にごりえ・たけくらべ」もありふれていますけれど、木村荘八のカバー画がなかなか良いので御紹介したくなりました。 解説は佐多稲子が書いています。

今回も御予約締め切りは27日(日)とし、重複御注文は抽選のうえ、28日に発送いたします。
なんとか年内にお手元にお届けできると思います。

■■■今日の新着品から■■■

ベラミイ(前・後)
モーパッサン
世界名著梗概叢書

黙示録の四騎士 前篇
イバニェス 中山鏡夫訳
春陽堂世界名作文庫

夜ひらく
ポール・モーラン 堀口大学訳
第三次新潮文庫

痴人の告白(上下)
ストリンドベリ 三井光彌訳
第三次新潮文庫

幼年・少年
トルストイ 江馬修訳
第三次新潮文庫

シラー詩集
小栗孝則訳
改造文庫

悪魔の酒(全2)
E・T・A・ホフマン 浜野修訳
改造文庫

密航 他二篇
プリボイ 平井肇訳
改造文庫

戦慄 他
アルツィバーシェフ 昇曙夢訳
創元文庫

太陽は桑乾河を照らす(上下)
丁玲 坂井徳三・三好一訳
青木文庫

山内義雄訳詩集
角川文庫

にごりえ・たけくらべ
樋口一葉 木村荘八画
河出文庫

更生記
佐藤春夫
市民文庫

村山槐多詩集
創元文庫

富永太郎詩集
創元文庫

2009年06月27日

No.31

ご無沙汰を申し上げております。

半年ぶりの発行となります。

今回は岩波文庫・ゴンチャロフの「断崖」が入荷しております。
当店が扱うのは3回目。
状態は、2巻から4巻までは帯もついていますし、この本としては、まあまあ良いほうではないか−と思います。
特に、全部初版というのは珍しい。
この作品、御承知のように1巻と2巻の間に3年のブランクがあったがゆえ、1巻のみ再版が出たわけですね。
たまに、1巻だけバラで見かけることがあるのも、このゆえでして・・・。

岩波文庫・川上眉山の「観音岩」や世界名作文庫・ストリンドベリの「爛酔」なども珍しいですが、状態が悪く残念です。

■■■今日の新着品■■■

断崖(全5)
ゴンチャロフ 井上満訳
岩波文庫

観音岩(前・後)
川上眉山
岩波文庫

爛酔
ストリンドベリ 舟木重信訳
春陽堂世界名作文庫

ノラ
イプセン 森鴎外訳
春陽堂世界名作文庫

古城物語
ホフマン 平井程一訳
春陽堂世界名作文庫

山師トマ
コクトオ 河盛好蔵訳
春陽堂世界名作文庫

フィリップ短篇集
堀口大學訳
春陽堂世界名作文庫

深淵 他
アンドレーエフ 昇曙夢訳
創元文庫

或る平手打の話
アルツィバーシェフ 米川正夫訳
創元文庫

詩集 天上の炎
ヴェルハーレン 高村光太郎訳
創元文庫

ヘッダ・ガーブレル
イプセン 楠山正雄訳
角川文庫

悩める魂
マルセル・アルラン 佐藤文樹訳
角川文庫

死のスターリングラード(上下)
プリーヴィエ 舟木重信訳
角川文庫

ワイルド詩集
日夏耿之介訳
(第三次)新潮文庫

マレエヌ姫
メーテルリンク 山内義雄訳
(第三次)新潮文庫
嘘の力
ボーエル 宮原晃一郎訳
(第三次)新潮文庫

愛情の運命(上下)
シャルドンヌ 岡田眞吉訳
新潮文庫

ベリンスキー選集(全2)
除村吉太郎訳
世界文庫

夜のガスパール
ベルトラン 伊吹武彦訳
三笠文庫

君が人生の楽しき時
サローヤン 金子哲郎訳
近代文庫

ゲー・ムーランの踊子
シムノン 安堂信也訳
創元推理文庫

おもひ出す人々
内田魯庵
春陽堂文庫

魯庵随筆集(上下)
改造文庫

2008年12月19日

No.30

今回は当店にしては珍しくミステリーが入荷しております。
コレクターズアイテムとして有名な作品も入っていますが、
状態がいまひとつなので、是非、画像も御確認下さい。
当店の不得意分野なので、値付けは少しおかしいかも?

バルザック「二人の若妻の手記」(三笠文庫)
あいかわらず人気の高いバルザックですが、この文庫は案外見かけません。
少なくとも当店では初めて扱うと思います。
もっとも作品自体は全集の端本で比較的簡単に入手できますけれど。

今年は本号を含めて4回の発行にとどまりました。

私が怠けているせいもありましょうが、
珍しいものがなかなか集まらなくなりつつあるのも事実です。

当店の文庫は主に神田の古書市場で仕入れておりますが、
文庫に帯とパラフィンのついていた頃−昭和40年代前半までの文庫は
市場から急速に消えつつある−というのが実感です。

当店が本格的に絶版文庫を扱いだした10年ちょっと前には、
古書市場が開かれれば、数多い出品のなかに少なくとも1点くらいは古い文庫が何十冊・何百冊と一括で出品されていたものです。
その中には「おお!」というものが含まれていることも珍しくなかった。
また、「展覧会」と呼ばれる古書の催事販売の会場でも、古い文庫がたくさん売られていたものです。

日本全国から古書が集まってくる神田の市場で少なくなったということは、
古い文庫本の量そのものが減っている−と考えてよいと思います。

その理由はわかりません。
例えば最近の文庫に混じってブックオフのような新・古書店に売られ、廃棄処分になっている−ということも考えられます。

いずれにしても、今後は「帯とパラフィンの」文庫を集めるのは、さらに難しくなっていくでしょう。
回数はさらに減るかもしれないが、なんとか面白いものをお届けできるよう努力していく所存ですので、来年もどうぞお見捨てなきよう、お願い申し上げます。

■■■今日の新着品■■■

毒殺魔
ディクスン・カー 守屋陽一訳
創元推理文庫

ペテン師まかり通る
ヘンリ・セシル 平井呈一訳
創元推理文庫

殺す者と殺される者
ヘレン・マクロイ 中田耕治訳
創元推理文庫

二輪馬車の秘密
ファーガス・ヒューム 江藤淳・足立康訳
新潮文庫

標的走路
大沢在昌
双葉文庫

ポンピリア
ロバート・ブラウニング 村岡達二訳
春陽堂世界名作文庫

ノートルダムの傴僂男(全3)
ヴィクトル・ユーゴー 江間俊雄訳
春陽堂世界名作文庫

吾等の心
モーパッサン 高木安雄訳
春陽堂世界名作文庫

ハイネ・浪漫派
石中象治訳
春陽堂世界名作文庫

ヘルマン戦争
クライスト 濱野修訳
改造文庫

ルーソーと浪漫主義(上下)
アーヴィング・バビット 崔載瑞訳
改造文庫

ユリシーズ(全5)
ジョイス 森田草平ほか訳
岩波文庫

二人の若妻の手記(上下)
バルザック 鈴木力衛訳
三笠文庫

2008年10月03日

No.29

御無沙汰をいたしました。
今年3回目の発行です。

今回は第一次新潮文庫が入荷しております。
当店では初登場かもしれません。
第一次新潮文庫は、大正3年刊。
当時、海外文学系の叢書は抄訳が多かったのに対し、全訳が「売り」でした。
しかし、全100点の予定が40点で打ち切りとなりました。
打ち切りの理由について、矢口進也氏は「文庫そのすべて」で
「折角全訳の方針を打ち出しながら、一冊の収容量が少ないためか冊数が多くなり、完結までに期間が長くかかったことや、二五銭という定価が他の叢書類より高かったことが原因」と分析されています。
ちなみに同時期の海外文学抄訳文庫であるアカギ叢書は定価10銭でした。

後半は「中学生ワールド文庫」だの「中学生傑作文庫」だの、
本来の文庫ではなく、要するに学習雑誌の付録ですね。
少しまとまって入ったので御紹介します。

■■■今日の新着品■■■

日本印象記
ピエール・ロティ 高瀬俊郎訳
第一次新潮文庫

津村信夫詩集

角川文庫

富永太郎詩集
中原中也ほか
創元文庫

池水荘綺譚
甲賀三郎
第三次新潮文庫

ドゥブローフスキイ奇譚 他三篇
プーシキン 神西清訳
角川文庫


装甲列車No.14,69
イワノフ 黒田辰男訳
青木文庫

あることの夢
パオロ・パゾリーニ 米川良夫訳
ハヤカワ文庫


賜物(上下)
ナボコフ 大津栄一郎訳
福武文庫

失われた足跡
カルペンティエル 牛島信明訳
集英社文庫

ベートーヴェンの交響曲
ベルリオーズ 橘西路訳編
角川文庫


照る日くもる日(全3)
大佛次郎
博文館文庫

幸田露伴(全4)
塩谷賛
新潮文庫

プラーグの学生剣士
エーベルス 青山岩男訳
中二ミステリー文庫

のろわれた潜水服
ボアゴベイ 氷川瓏・文
中一文庫

ゴッホの手紙−弟テオドルへの手紙(全4)
テオ・ヴァン・ゴッホの手紙−兄ヴィンセントへの手紙
全5冊揃
式場隆三郎訳
近代文庫
学習雑誌付録文庫いろいろ

2008年06月13日

No.28

今回は山本文庫が少し入荷しております。
どうぞ御覧下さい。

新聞によると「格差社会」のゆえか「蟹工船」が読まれているとか。
ホントかなあ−と思っていたら
「文藝春秋」7月号に吉本隆明氏「蟹工船と新貧困社会」という文章が載っています。
私は未読ですが、当店の近所の古書店には「蟹工船ある?」という客が二人来たそうです。

小林多喜二が読まれるなら葛西善蔵はなぜダメなんだ!
というわけで改造文庫「葛西善蔵小説集・感想集」を載せてみました。
よく見かける本ですが、全7冊はなかなか揃いません。

でも、葛西善蔵の小説も悲惨な貧困文学ですが、同時に独特の飄々とした味(これが葛西の持ち味ですけど)があるので、かえって「うけない」のかもしれません。

■■本日の絶版文庫新着品から■■
雄鶏とアルルカン
コクトオ 佐藤朔訳
山本文庫

アムステルダムの水夫
アポリネエル 堀辰雄訳
山本文庫

蜜月・幸福
マンスフィールド 平田禿木訳
山本文庫

狂癲院
エドガー・アラン・ポー 内藤吐天訳
山本文庫

小散文詩
ボードレール 三好達治訳
山本文庫(戦後版)


ヴイキングの末裔
ヨハン・ボーエル 内山賢次訳
春陽堂世界名作文庫

シニョーラ・フランチェスカ−続死せるマリア
ハイネ 小栗孝則訳
創元文庫
彼方(上下)
ユイスマンス 田辺貞之助訳
世界文庫

肉なるものの道(上下)
サミュエル・バトラー 山本政喜訳
新潮文庫

完訳エリア随筆(上下)
ラム 平田禿木訳
新潮文庫


ハンガリー狂詩曲(上下)
ツォルト・ホルシャニ 木村毅訳
旺文社文庫

U.S.A(全6)
ドス・パソス 並河亮訳
新潮文庫

葛西善蔵小説集・感想集(全7)
改造文庫

2008年05月21日

No.27

前回発行から半年過ぎてしまいました。

半年間発行のないメールマガジンは発行会社に削除されてしまうそうです。
だから−というわけでもありませんが、ここらで御機嫌伺いがてら27号をお届けします。

今回は、当店のお客様にはあまり面白味がないかもしれませんが、現代教養文庫です。
ご存知の通り教養文庫の「売り物」の一つが映画関連。
猪俣勝人と田山力哉の著作を中心に、なんでこんなに力を入れたのかよくわかりませんが、相当数刊行されました。
「教養文庫の映画モノなんて珍しくないや」と仰るかもしれません。
確かにそうなのですが、先日まとまって入荷したので、チョット紹介させて下さい。

おそらくほとんど揃っているのではないかと思うのですが、どうでしょうか。
私の知る限りでは欠けているのは
「日本映画俳優全史 現代篇」 猪俣勝人・田山力哉
「伴淳三郎 道化の涙」 田山力哉
「時代劇博物館2」 島野功緒
の3冊ぐらいかと思うのですが・・・

特に珍しいモノではないので、いつものように抽選販売方式は採りません。
注文があれば、すぐに発送いたします。

なお、次回は得意のラインナップにもどり、戦前から昭和30年代ぐらいの文庫を中心に6月の第2週までには発行したいと思っております。
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■今日の新着品■
画像付販売目録と御購入はこちらを御覧下さい

日本映画名作全史(全4)
猪俣勝人
戦前編 戦後編 現代編 現代編2 1974-1988

日本映画俳優全史(男優編・女優編)
猪俣勝人 田山力哉 1977-2000

日本映画作家全史(上下)
猪俣勝人 田山力哉 昭54

わが体験的日本娯楽映画史(全2)
田山力哉
戦前編 戦後編 1979-1980

世界映画名作全史(全3)
猪俣勝人
戦前編 戦後編 現代編 1978-1991

世界映画俳優全史(全4)
猪俣勝人 田山力哉
男優編 女優編 現代編 現代編2 1986-1995

やぶにらみ世界娯楽映画史(全2)
児玉数夫 昭53

世界映画作家全史(上下)
猪俣勝人 田山力哉 昭54

アメリカン・ニューシネマ名作全史(全3)
田山力哉 1981-1994

ヨーロッパ・ニューシネマ名作全史(全3)
田山力哉 1982-1994

カルト映画館(全4)
永田よしのり編 1995-2000
ホラー編 SF編 ミステリー&サスペンス編 アクション編

映画理論入門
今村太平 昭32

映画を心ざす人に
今村太平編 新藤兼人 五所平之助ほか 昭30

映画の名画座 259本だてイラスト・ロードショウ
橋本勝 1991

映画366日館
石子順 1985

映画なんでも小事典
田中純一郎編 1980

映画を楽しむ小事典
児玉数夫 1981

田山力哉の映画恋愛論 名セリフ名シーン101
田山力哉 1991

田山力哉の映画人生論 名セリフ名シーン80
田山力哉 1992

日本シネマ紀行
朝日新聞社社会部編 1993

現代日本映画の監督たち
田山力哉 1991

日本のアクション映画 裕次郎から雷蔵まで
西脇英夫 1996

日本ドキュメンタリー映画全史
野田真吉 1984

時代劇博物館
島野功緒 1993

殺陣 チャンバラ映画史
永田哲朗 1993

市川雷蔵かげろうの死
田山力哉 1988

千恵蔵一代
田山力哉 1992

松田優作 炎静かに
山口猛 1994

黒澤明の映画
ドナルド・リチー 三木宮彦訳 1991

小津安二郎の美学 映画のなかの日本
ドナルド・リチー 山本喜久男訳 1993

戦争映画館
瀬戸川宗太 1998

娯楽映画の世界 ミュージカル
児玉数夫 1980

娯楽映画の世界 西部劇
児玉数夫 昭54

現代アメリカ映画の監督たち
田山力哉 1990

現代ヨーロッパ映画の監督たち
田山力哉 1990

愛しのマレーネ・ディートリッヒ
高橋暎一 1992

ハリウッド・スキャンダル ちょっと気になる話
エドワード・ルケィア 田村研平訳編 1986

ハリウッドとマッカーシズム
陸井三郎 1996

中国明星物語 玩玲玉 趙丹 江青 鞏悧
石子順 1995

2007年11月27日

No.26

今回は、当店の扱い分野としては随分「新しい」文庫=中公文庫を集めてみました。
たまにはいかがでしょうか。

特に珍しい本もないと思うので、いつもと違って
抽選なし(先着順)、画像の紹介もなしです。
一覧はこちらで。

中公文庫といういことで、私の蔵書の中から古書の雑誌「SMUSUS」の別冊
「まるごと一冊中公文庫」(2003)を引っ張り出してパラパラと見ております。
(この雑誌も今は結構入手困難本らしいです)

このなかで中公文庫に最も強い古書店として有名な聖智文庫さんの
「中公文庫あれやこれやベスト5」というのが面白いので、
ちょっと紹介してみたいと思います。

ただし、2003年当時のランキングですから、現在とは状況がだいぶ違います。
まあ、当店のお客様は古書に詳しい方ばかりですからよく御承知とは思いますが。

人気ベスト5
・畜生道の地球
・モダン都市東京
・戦後欧米見聞録
・神を信ぜず
・竜の星座

高価格ベスト5
・夢声戦争日記
・頼山陽とその時代
・幸田露伴
・日本映画発達史
・秘境西域八年の潜行

入手困難ベスト5
・外政家としての大久保利通
・不知火・人魂・狐火
・露国及び露人研究
・浮世絵師歌川列伝
・黒岳の魔人
・易断に見る明治諸事件

2007年10月29日

No.25

また、御無沙汰をしてしまいました。
前回の発行が、ちょうど参院選の頃、それがもとで政変があり、その政変もすっかり過去の話になってしまいました。

今回は、新入荷品を、ただダラダラと並べただけの目録となりました。

その中で珍しいのは新潮文庫の著者本でしょうか。
私ははじめて見ました。
奥村敏明先生の著作などザッと当たってみたのですが、詳しいことはわかりませんでした。
まあ、岩波文庫や角川文庫に著者本があるのだから、当然新潮も出していたのでしょうけど・・・。
何かご存じの方がいらっしゃれば、御教示下さい。次回のメールマガジンで皆様にも情報提供したいと思います。

国枝史郎伝奇文庫の揃いですが、カバーの背が日に焼けて褪色してしまい、しかも水に濡れたシミもついています。
それから、私がヒモで縛って長らくほっぽらかしておいたので、1巻と28巻はほんのチョット丸まってしまいました。
これは時間とともに元に戻ると思いますけれど・・・
カバの表紙画や本文はきれいなので、上記が気にならなければ、結構お買い得になっていると思います。

■■本日の絶版文庫新着品から■■

バンビの歌
ザルテン 菊池重三郎訳
第三次新潮文庫・訳者自家用版・限定50部

上なき判官これ天使 他一篇
ローベ・デ・ベーガ 永田寛定訳
世界古典文庫

寓話(上下)
クルイーロフ 吉原武安訳
世界古典文庫

僻地の旧習(全3)
シチェドリン 西尾章二訳
世界古典文庫

訳註 杜詩(全4)(旧版)
漆山又四郎訳註
岩波文庫

巴里の胃袋(上下)
ゾラ 武林無想庵訳
改造文庫

仏蘭西モラリスト
ストロフスキー 土居寛之・森有正訳
世界文庫
オルフォイスに捧げるソネット
リルケ 長谷川四郎訳
河出文庫

愛憎の彼方(前・後)
中村武羅夫
春陽堂日本小説文庫

天国の記録・街のルンペン
下村千秋
第三次新潮文庫


山に入る心
田部重治
第三次新潮文庫

夜ひらく
ポール・モーラン 堀口大學訳
第三次新潮文庫

三浦老人昔話
岡本綺堂
春陽文庫

西遊記
関英一
神田書店・名作文庫

教訓説話 廻れ右
鈴木暢幸
淡海堂・新大衆文庫

警視総監の笑ひ・本の話 他三篇
由起しげ子
角川文庫

母子像・鈴木主水 他五篇
久生十蘭
角川文庫

露伴翁座談(正・続)
塩谷贊編
角川文庫


日本民謡と音階の研究
下総皖一
音楽文庫

ストラヴィンスキー
エリク・ホワイト 柿沼太郎訳
音楽文庫

東洋音楽史
滝遼一
全音文庫

比較音楽学
ザックス 野村良雄訳
全音文庫

1960年代日記
小林信彦
ちくま文庫

人民美術選書 シャルダン
後藤禎二編
青木文庫

国枝史郎伝奇文庫(全28)

2007年07月27日

No.24

このところ「月刊」のペースで発行できております。
いつまで続きますことやら・・・。

手帖文庫が入荷するのは何年ぶりでしょうか。
むかし、紙の目録を発行している頃に掲載したことがあります。
このメールマガジンで紹介するのは初めてですね。

ほかには世界名作文庫が少しまとまった数で、また、角川文庫や河出文庫特装版のフランス文学が少しばかり入荷しました。

そのほか、追記しておくことは・・・

最後から3つ目、河出文庫、ブルトンヌの「性に目ざめる頃」。
なんともありきたりの題名ですが、生島遼一の解説によると
「自伝小説「ニコラさん、または、ありのままの人心」のうちの、幼少年期の全部および青年期の一部を訳出したものである」
とのことです。
ブルトンヌの「ムッシュー・ニコラ」といえば、あの澁澤龍彦編集「血と薔薇」に生田耕作訳で掲載されていたのを思い出しますが、これは全訳なのでしょうか?
講談社の世界文学全集「サド/ブルトンヌ」の巻にも掲載されていますが、
これは「ムッシュー・ニコラの幼少時代」という題名ですから、河出文庫と同じような内容なのでしょう。
ほかに筑摩書房の世界文学大系「サド/ブルトンヌ」の巻にも「ムッシュー・ニコラ」があります。


■■本日の絶版文庫新着品から■■

外套と青空
坂口安吾
手帖文庫

童話 どうしてそんなに物語
キプリング 石田外茂一訳
改造文庫

決闘(上下)
クープリン 梅田寛訳
改造文庫

愛と死の小説集
ブラスコ・イバーニェス 高橋正武訳
世界文庫

密告者
ライアム・オフラーティー 岡本成蹊訳
春陽堂世界名作文庫

仏蘭西短篇集
森鴎外訳
春陽堂世界名作文庫

血に飢えた神々
アナトール・フランス 村田義雄訳
春陽堂世界名作文庫

人間悲劇 外十篇
アナトール・フランス 杉捷夫訳
春陽堂世界名作文庫

世界選手
ポール・モーラン 飯島正訳
春陽堂世界名作文庫

後尾車にて・路上
レオンハルト・フランク訳
春陽堂世界名作文庫

悪魔が淵
ジョルジュ・サンド 田沼利男訳
春陽堂世界名作文庫

水夫
ピエール・ロティ 岡野馨訳
春陽堂世界名作文庫

機械破壊者
エルンスト・トラー 田村俊夫訳
春陽堂世界名作文庫

露西亜短篇集
森鴎外訳
春陽堂世界名作文庫

零落者の群
ゴーリキー 昇曙夢訳
春陽堂世界名作文庫
戦争
チーホノフ 黒田辰男訳
春陽堂世界名作文庫
贋のドミートリイ
メリメ 江口清訳
角川文庫

棄子のフランソワ
ジョルジュ・サンド 長塚隆二訳
角川文庫

マリーの仕事場
オードゥー 堀口大学訳
角川文庫
大人の為の童話
シチェドリン 大澤伸夫訳
世界文庫
性に目ざめる頃
レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ 生島遼一訳
三笠文庫

赤と緑
スタンダール 小林正・山田爵訳
河出文庫

フランス短篇集(現代篇)
鈴木信太郎
河出文庫

2007年06月22日

No.23

1ヶ月ぶりの更新です。 当店としては、よく頑張っているほうですね(笑)。

本日は角川文庫の赤帯が中心となりました。
当店のお客様なら、あえて説明するまでもないでしょうが、
モーパッサン、小西茂也訳の「モントリオル」は、題名の前に「温泉マーク」が入ります(パソコンでは出せないので)。
そのへんが小西茂也訳・角川文庫の真骨頂で、岩波からも杉捷夫訳で同じ作品が出ていましたが、岩波文庫に温泉マークは入らんでしょうね・・。

それから補足点をいくつか。

レスコーフが2点入荷しました。
角川の「魅せられたる旅人」と新潮の「封印された天使」です。
この作家は、ほかに岩波文庫から「魅せられた旅人」(木村彰一訳)と「真珠の首飾り」(神西清訳)が出ています。
「真珠の首飾り」は現在も入手可能でしたっけ・・
「魅せられた・・」は、95年に復刊しましたが、最近はまったく見かけません。

次に近代文庫のストリンドベリ、森鴎外訳「債鬼」は戦前に「春陽堂世界名作文庫」からも出ていたものの再刊です。
世界名作文庫版が手元にないので、対照はできないのですが、もしかすると版型も同じかもしれません。

新潮文庫・金素雲の「朝鮮民謡集」は、昭和4年に泰文館から出た同名所の文庫化です。
泰文館版は岸田劉生装のゆえもあり、2,3万円が相場です。
この本が文庫化されていたとは、私、恥ずかしながら知りませんでした。
金素雲自身の「文庫版のはじめに」という一文が入っており、文庫に収録したのは「全体のおよそ半量」だそうです。
また金素雲は岩波文庫からも「朝鮮民謡選」を出していますが、
「岩波文庫版「朝鮮民謡選」(中略)に対し、この「朝鮮民謡集」は詩情に重きを置いた意訳本」と説明しています。

■■本日の絶版文庫新着品から■■

モントリオル(上下)
モーパッサン、小西茂也訳
角川文庫

ルネッサンス(上下)
ゴビノー、加茂儀一訳
角川文庫

一登山家の思い出
ジャヴェル、尾崎喜八訳
角川文庫

新聞商会
ベン・ジョンソン、上野精一訳
角川文庫

死の床に横たわる時
フォークナー、大貫三郎訳
角川文庫

ガラス玉遊戯(上下)
ヘルマン・ヘッセ、井出賁夫訳
角川文庫

死のスターリングラード(上下)
プリーヴィエ、舟木重信訳
角川文庫

魅せられたる旅人
レスコフ、米川正夫訳
角川文庫

飢え
ハムスン、宮原晃一郎訳
角川文庫

封印された天使
レスコフ、米川正夫訳
新潮文庫

ドイル傑作集3 ボクシング編
コナン・ドイル、延原謙訳
新潮文庫

ドイル傑作集6 海賊編
コナン・ドイル、延原謙訳
新潮文庫

肉なるものの道(上下)
サミュエル・バトラー、山本政喜訳
新潮文庫

或る夜のクレオパトラ
コーティエ、田辺貞之助訳
市民文庫

朝鮮民謡集
金素雲編
第三次新潮文庫
剪燈新話
田中貢太郎・述
第三次新潮文庫
ゲーテと共に在りし十年
フレデリック・ソレー、小原度正訳
世界文庫

ドイツ論(一)
スタール夫人、永井順訳
世界文庫

ナポレオン
メレジュコフスキー、米川正夫訳
創元文庫
復活祭 他
ストリンドベリ、尾崎義訳
創元文庫
債鬼
ストリンドベリ、森鴎外訳訳
近代文庫
経済学原理(全5)
ミル、末永茂喜訳
岩波文庫

2007年05月25日

No.22

大変ご無沙汰をいたしております。
半年ぶりの発行と、あいなりました。

今回も「毎度おなじみ」の外国文学、それから角川文庫の黄帯−すなわち日本古典文学の小特集、さらに、結構珍しい文庫でありながら状態に難ありのため特価での処分品を集めた小コーナーの3本立でお届けします。

ところで、ちょっと面白いものがあったので御紹介します。

戦前の岩波文庫にはさまっていた「しおり」なのですが、
片面は岩波文庫「レ・ミゼラブル」宣伝、もう一方の面は映画「レ・ミゼラブル」の広告になっています。
広告主は東和映画。
この映画、調べてみますと昭和13年10月に封切られているので、その少し前につくられたのでしょう。
siori.jpg

わたしなど、岩波文庫というと「宣伝下手」というイメージがこびりついています。
わたしだけの偏見でない証拠に、手元の「BOOKMAN」の岩波文庫特集号(1982)に掲載の座談会に、こんな発言があります
−でね、岩波としては「闇の奥」に映画のカバーをつけて、「読んでから見るか、見てから読むか?」(中略)これで5万部は楽勝ですよ。ところがなにせ権威と伝統の文庫だから、そんなことは出来ない−
(氷川注:当時話題の映画「地獄の黙示録」の原作がコンラッド「闇の奥」)
ところが戦前の岩波書店は、それほどおカタクなかった−というわけ。


■■本日の絶版文庫新着品から■■

ルレタビーユ
ガストン・ルルー、久生十蘭訳
博文館文庫

通俗三国誌(全6)
博文館文庫

消されない月の話
ピリニャーク、米川正夫訳
春陽堂世界名作文庫

過去
郁達夫、小田嶽夫訳
春陽堂世界名作文庫

道化芝居
オルダス・ハックスリー、村岡達二訳
春陽堂世界名作文庫

時は止まらねばならぬ(上下)
オルダス・ハックスリー、上田勤訳
角川文庫

古城物語
E・T・A・ホフマン、平井程一訳
春陽堂世界名作文庫

ホフマン物語
E・T・A・ホフマン、石川道雄訳
角川文庫

砂男
E・T・A・ホフマン、木暮亮訳
近代文庫

吼えろ支那
トレチャコフ、大隈敏雄訳
春陽堂世界名作文庫

ゲーテとある子供との往復書翰(1)
ベッティーナ・フォン・アルニム、竹内英之助訳
世界古典文庫

裁く人
ブールジェ、木村太郎訳
春陽堂世界名作文庫

U.S.A(全6)
ドス・パソス、並河亮訳
新潮文庫

臨海楼綺譚
スティーブンソン、島田謹二訳
角川文庫

バラントレイ卿
スティーブンソン、西村孝次訳
角川文庫

亜細亜の光
エドウィン・アーノルド、島村苳三訳
岩波文庫
或る人間の秘密
ヴェルフェル、笹澤美明訳
春陽堂世界名作文庫
宇津保物語(全3)
原田芳起校注
角川文庫

落窪物語
柿本奨校注
角川文庫

童話どうしてそんなに物語
キプリング、石田外茂一訳
改造文庫
恋の駈引
サド、澁澤龍彦訳
河出文庫

2006年11月24日

No.21

今回もたいした入荷品はないのですが、当店の存在を忘れられるといけないので、ご挨拶がわりに。

今回の話題は新潮文庫の「ブレイク詩集」なのですが、初版で、発行が昭和18年となっています。
御承知のとおり、ブレイクはロンドン生まれで、どっからどうみてもチャキチャキの英国人なわけですが・・・
はじめて気がついたのですが、「戦争中でも英米文学の新刊は出ていたんだ!」

ドイツやフランス(ヴィシー政府)は友好国ですから、戦争中でも外国文学の新刊はたくさん出ていたのは承知していますが・・。
以前、テレビで「丸山真男の生涯」みたいな番組を見ていたら、丸山氏が影響を受けたE・H・カーの「平和の条件」という本に出会ったのは終戦間際の広島の古本屋だったとか。
古本屋では戦争中も英米の思想書が堂々と売られていたことがわかるわけですが、新潮社ともなれば、そうはいかないものと思い込んでました。
調べてみると
昭和18年、新潮文庫の新刊は・・・
「ドン・キホーテ」「ゲーテ格言集」 これはO.K.
ハムスン「土の恵み」 これはノルウェー文学で、ドイツの勢力圏だからO.K.
「バンビの歌」 ザルテンはハンガリー生まれでドイツで活躍、このときはアメリカに亡命中ですが、まあ、そんな細かいことはよろしい。ドイツ文学だからO.K.
オールコット「良き妻たち」  やや!これも英米文学ですね。

この頃、出版の所轄官庁は内務省? 内閣情報局?
どちらにしても、あまり細かいこと言わないみたいです。
もっとも、どちらも文庫としては新刊でも、書籍タイトルとしては再刊になるわけですから、文庫はノーマークなのかも知れません。

本日の新入荷品から


ユリシーズ(全5)
ジョイス 安藤一郎ほか訳
岩波文庫


マンドラゴラ
マキアヴェルリ 大岩誠訳
岩波文庫


作家の日記(全6)
ドストエフスキー 米川正夫訳
岩波文庫


ナバブ−パリ風俗(上下)
ドーデー 河合亨訳
岩波文庫


ジェニー・ゲルハート(上下)
ドライサー 高垣松雄訳
(第三次)新潮文庫


ブレイク詩集
入江直祐訳
(第三次)新潮文庫


ワイルド詩集
日夏耿之介訳
(第三次)新潮文庫


神々の死(上下)
メレジュコフスキー 米川正夫訳
(第三次)新潮文庫


或る平手打ちの話
アルツィバーシェフ 米川正夫訳
世界文庫


オスカー・ワイルド
ジイド 中島健蔵訳
世界文庫


ユリシーズ
ジョイス 伊藤整訳・解説
名著研究文庫


女優クララの死
ツルゲーネフ 米川正夫ほか訳
角川文庫


コルネリの幸福
ヨハンナ・スピリ 野上弥生子訳
角川文庫


セヴァストーポリの石
ソヴィヨフ 袋一平訳
青木文庫


人形の家
イプセン 赤木春之編
あかね叢書


ベートーヴェンよりマーラーまでの交響曲
ベッカー 武川寛海訳
音楽文庫

2006年09月23日

No.20

当店の絶版文庫メールマガジンも第20号、紙の目録だった頃から数えれば30号となり、記念特集でも組みたいところですが、
トピックスとしては角川文庫の「宇津保物語」が入荷したことくらい。
最近の入荷品を、分野もバラバラ、ただノンベンダラリと並べた、いつもの通りの面白くもない目録であります。
まあ、折角ですから御覧下さい。

本日の新入荷品から


宇津保物語(全3)
原田芳起校注
角川文庫


ギョッツ
ゲーテ 森鴎外訳
春陽堂世界名作文庫


ユゴオ伝
マビヨオ 神部孝訳
新潮文庫


イレーネ夫人の秘密
ツヴァイク 西義之訳
角川文庫


源氏物語女性考(上下)
関みさを
河出文庫特装版


美わしきフェルミナ
ラルボー 新庄嘉章訳
新潮文庫


装甲列車No.14,69
イワノフ 黒田辰男訳
青木文庫



ロールスロイスに銀の銃
ハイムズ 篠原慎訳
角川文庫


兵士の給与(上下)
フォークナー 山屋三郎訳
角川文庫


昼となく夜となく(上下)
シーモノフ 小野俊一訳
角川文庫


暑い日暑い夜
ハイムズ 篠原慎訳
角川文庫

2006年08月25日

No.19

今回、前半は、署名本の小特集です。
署名本といっても日本の小説家ではなく、翻訳家、主にフランス文学者ですけれど。
田辺貞之助、杉捷夫、川口篤、市原豊太、平岡昇などの諸氏。
英文学からは、あいかわらず人気の高い村岡花子氏が入荷しました。

創元文庫「商船テナシチー・巡礼」は、森茉莉氏の夫である山田珠樹氏の訳ですが、
文庫化された時点で、すでに故人なので、
子息でやはりフランス文学者の山田爵(正しくはこの漢字ではありませんが)氏が改訳を担当、
署名も当然爵氏によるものです。

ユゴー「ノートルダム・ド・パリ」は岩波文庫、潮文庫ともに辻昶・松下和則氏のコンビによる翻訳です。
潮文庫版は「全面的な改訳」とのことなので、両方が手元にあるこの機会に岩波文庫版と対照してみました。
まったく別訳と考えて差し支えないようです。
現在入手可能な「ヴィクトル・ユゴー文学館」版は、潮文庫版と同訳なのでしょう。
確かめてはいませんが。

ゾラ「ごった煮」は珍しい本ですが、惜しいことに扉ページが破り取られています。
上記の一連の署名本と一括仕入れですので、おそらく田辺貞之助氏の署名があったのでしょう。
献呈署名の部分を破ってしまうのは、よくあることですから。

ゴンチャロフ「断崖(全5)」が数年ぶりに入荷しました。
状態は、前回よりも、まあまあ良いか−と思っています。
今年は「平凡物語」も入荷し、ゴンチャロフの当たり年でした!

「断崖といい、平凡物語といい、珍しい珍しいと言いながら、結構たびたび入荷するじゃないか」と思われるかもしれませんが、
月曜から金曜まで日本全国から古書が集まってくる神田の市場に通いつめている当店だから、これだけの確率で巡り会えるのですゾ。
本日の入荷品から

モーパン嬢(上下)
ゴーティエ、田辺貞之助訳
新潮文庫


オーベルマン(上下)
セナンクール、市原豊太訳
岩波文庫


商船テナシチー・巡礼
ヴィルドラック、山田珠樹訳
創元文庫


ステロ
ヴィニー、平岡昇訳
岩波文庫


ノートルダム・ド・パリ(全3)
ユゴー、辻昶・松下和則訳
岩波文庫


ノートル=ダム・ド・パリ(上下)
ユゴー、辻昶・松下和則訳
潮文庫


シラー詩集
小栗孝則訳
改造文庫


新編シラー詩抄
小栗孝則訳
改造文庫


ごった煮(上下)
ゾラ、田辺貞之助訳
角川文庫


レールモントフ抒情詩集
稲田定雄訳
創元文庫


シュペルヴィエル詩集
堀口大學訳
新潮文庫


詩集天上の炎
ヴェルハアラン、高村光太郎訳
新潮文庫


グウルモン詩集
堀口大學訳
新潮文庫


フランス詩集
堀口大學訳
近代文庫


フランス解放詩集
野間宏・小内原文雄訳
河出文庫


オルフォイスに捧げるソネット
リルケ、長谷川四郎訳
河出文庫


フランス語とフランス文化
リヴァロール、田島譲治訳
世界文庫


オブロモフ主義とは何か
今日といふ日はいつ来るか
ドブロリューボフ、金子幸彦・重石正己訳
世界文庫


革命の女たち
ミシュレ、三宅徳嘉・山上正太郎訳
市民文庫


悪魔の美しさ
ルネ・クレール、岡田真吉訳
市民文庫


ロシア文学の理想と現実(上下)
クロポトキン、伊藤整・瀬沼茂樹訳
創元文庫


画商の想出(上下)
ヴォラール、小山敬三訳
創元文庫


飢え
ハムスン、宮原晃一郎訳
創元文庫


戦慄
アルツィバーシェフ、昇曙夢訳
創元文庫


断崖(全5)
ゴンチャロフ、井上満訳
岩波文庫

2006年06月26日

No.18

本日は、角川文庫の緑帯を中心に、日本近現代文学を集めてみました。
珍しいものもありませんが、状態は比較的良いのものが揃いました。
獅子文六の文庫など、まとまって出ることは案外ないように思います。
この時期は「河出文庫特装版」を手始めに、カバーのついた文庫が増えてくる頃でもあります。
今から振り返ってみると、ビックネームの画家が手掛けたカバーが多いのも楽しみの一つですね。
新潮文庫・角川文庫では、従来の帯とパラフィン紙の装幀の上に、さらにカバーを付けたのも多いです。
なぜこういう装幀になったのかわかりませんが、昭和30年代前半に独特のスタイルです。

なお、末尾には創元推理文庫のPR誌「創元推理コーナー」が2部だけですが、入荷しましたので、紹介しております。

本日の新入荷品から


草枕
カバ近藤浩一路
河出文庫


坊っちゃん
カバ津田青楓
河出文庫


人形佐七捕物帖2
カバ神保朋世
春陽文庫


する時と死する時
カバ野口久光
新潮文庫


春泥尼抄
カバ佐多芳郎
新潮文庫


貸間あり・おこまさん
カバ畦地梅太郎
角川文庫


幼児狩り・蟹
カバ司修
新潮文庫


中勘助詩集
角川文庫


楽天公子
獅子文六
角川文庫


市井人・うしろかげ
久保田万太郎
角川文庫


篋中デッサン
中川一政
市民文庫

2006年05月19日

No.17

ご無沙汰いたしました。
前回の更新より半年経ってしまいました。
これでは「絶版文庫専門店」の看板を下ろさねばなりますまい。
まあ、この間も入荷は続いており、未整理品も積み上がっております。
追々、更新してまいりますので、どうかお見捨てなきよう・・。

ゴンチャロフの「平凡物語」が実に久々に入りました。
前回も汚かったのですが、今回もまた派手に汚れています(画像を御参照下さい)。
どうしてこの本はいつも汚れているのでしょうか?
まぁ古書市場に出てくるだけでも奇蹟のような本なので、状態は勘弁してください。
もっとも今回は、本文はきれいなので、マシなほうでは−と思っております。

ディケンズ「善神と魔神と(一)」は初めて当店の書架に入りました。
刊行途中で中絶しながらも、邦訳がこれしかない、ということで珍重されてきたことで有名ですね。
2001年についに全訳が出ましたが、それも、すでに版元品切れですね。

岩波文庫のボンゼルス「インド紀行(上下)」は特に珍しいわけでもありませんが、下巻は昭和20年9月10日の発行。
戦後最初の岩波文庫ということで紹介してみました。
この日の発行は「インド紀行(下)」一点のみ。
この前は7月10日の「ファラデー電気学実験研究(二)」となっています。
昭和20年一年間の刊行は8点でした。

本日の新入荷品から


女の学校・ロベェル
ジイド、新庄嘉章訳
春陽堂世界名作文庫


道化芝居
ハックスリー、村岡達二訳
春陽堂世界名作文庫


ルジア家
クラブント、富田幸訳
春陽堂世界名作文庫


ある兵士の話
クラブント、神波比良夫訳
春陽堂世界名作文庫


恋愛双曲線(前後)
ハックスリー、永松定訳
春陽堂世界名作文庫


戦争
チーホノフ、黒田辰男訳
春陽堂世界名作文庫


平和
グレエザー、大野敏英訳
春陽堂世界名作文庫


ポトマック
コクトー、麻上俊延訳
春陽堂世界名作文庫


葡萄畑の葡萄作り
ルナール、岸田国士訳
春陽堂世界名作文庫


聖なる漁夫(上下)
ダグラス、大久保康雄訳
角川文庫


帰郷 第一部
オニール、阪倉篤孝ほか訳
春陽堂世界名作文庫


メリメの手紙
平井程一訳
春陽堂文庫


片手美人
黒岩涙香
春陽堂文庫


人猿タアザン
バローズ、天岡虎雄訳
博文館文庫


僻地の旧習(全3)
シチェドリン、西尾章二訳
世界古典文庫


リンクスの殺人事件
クリスティー、延原謙訳
博文館文庫


シシリアの貴族
オルツィ、上塚貞雄訳
博文館文庫


アクセルの城
ウィルスン、大貫三郎訳
角川文庫


善神と魔神と(一)
ディケンズ、菊池武一訳
角川文庫


平凡物語(上下)
ゴンチャロフ、井上満訳
創元文庫


砂漠の息子
モブラン、深尾須磨子訳
角川文庫


モーヌの大将
フルニエ、水谷謙三訳
角川文庫


女だけの町
ギャスケル夫人、川原信訳
角川文庫

2005年12月22日

No.16

今回は特段追加で説明することもないのですが、雑談をいくつか。

新潮文庫「ビリチスの歌」ですが、表紙と背には「ビリヂスの歌」と印刷されています。
「あれれ、新潮文庫は”ビリヂス”と表記しているのかな」と思いましたが、本文はすべて”ビリチス”です。
原文は”BILITIS”ですから「ヂ」になるはずないのですが・・。
新潮文庫の再版本だけの誤植なのか?

司馬遼太郎「梟の城」と堀辰雄「風立ちぬ」は、いくらでもある文庫ですが、初版はちょっと珍しいかと思い、掲載してみました。
「風立ちぬ」は昭和25年ですから堀辰雄はまだ存命だったわけです。
堀の存命中に出た文庫をちょっと調べてみましたら
「燃ゆる頬」「雉子日記」(ともに新潮文庫)に続いて「風立ちぬ」が三冊目になるようです。

本日の新入荷品から



賭博者
ドストエフスキー、原久一郎訳
春陽堂世界名作文庫


吹雪 外四篇
プーシキン、伊藤織雄訳
春陽堂世界名作文庫


赤い百合
フランス、石川淳訳
春陽堂世界名作文庫


ド・ブレオ氏の恋愛行状記
レニエ、矢野目源一訳
春陽堂世界名作文庫


虐げられし人々(前・後)
ドストエフスキー、昇曙夢訳
春陽堂世界名作文庫


南洋孤島の恋
ラ・ウリーヅ・ブルウン、山本貞司訳
春陽堂世界名作文庫


ダンテ神曲物語
熊田精華
春陽堂少年文庫


少年芭蕉物語
萩原蘿月
春陽堂少年文庫


四つの恋物語
フィリップ、前田鉄之助訳
第三次新潮文庫


僻地の旧習(全3)
シチェドリン、西尾章二訳
世界古典文庫


ビュビュ・ド・モンパルナス
フィリップ、小牧近江訳
第三次新潮文庫


ドゥブローフスキイ奇譚 他三篇
プーシキン、神西清訳
角川文庫


商船テナシチィ
ヴィルドラック、高橋邦太郎訳
角川文庫


癩者への接吻・母
モーリヤック、辻野久憲訳
角川文庫


時は止まらねばならぬ(上下)
ハックスリー、上田勤訳
角川文庫


火の河
モーリヤック、秋山晴夫訳
角川文庫


ライザの初恋
モーム、北川悌二訳
講談社文庫


ギャスケル夫人短篇集
田部重治訳
改造文庫


ジェニー・ゲルハート(上下)
ドライサー、高垣松雄訳
新潮文庫


萬葉代匠記(全6)
契沖、武田祐吉校註
富山房百科文庫

2005年10月29日

No.15


キャサリン・マンスフィールド日記抄
佐野英一訳
新潮文庫


イギリス短篇集
福原麟太郎編
市民文庫


臨海楼綺譚 他三篇
スティーブンソン、島田謹二訳
角川文庫


グランド・ホテル
ヴィッキー・バウム、伊藤尚志訳
創元文庫


海に行く騎者 他一篇
シング、松村みね子訳
角川文庫


田舎司祭の日記
ベルナノス、木村太郎訳
新潮文庫


北ホテル
ウジェーヌ・ダビ、岩田豊雄訳
角川文庫


ファビアン
ケストナー、小松太郎訳
改造文庫


恋の火あそび 他一篇
デュマ・フィス、鈴木力衛訳
角川文庫


自然児
ヴォルテール、池田薫訳
市民文庫



赤裸の心・覚書
ボードレール、堀口大学訳
近代文庫


赤と緑
スタンダール、小林正・山田爵訳
河出文庫


イツ民譚集(一)
グスタフ・シュワープ、国松孝二訳
岩波文庫


制服の処女
ウインスローエ、中井正文訳
角川文庫


幸福の後に来るもの(全6)
ケッセル、堀口大学訳
新潮文庫


令嬢エルゼ
シュニッツラー、桜井和市訳
角川文庫


文学的慰み−ゴーリキー文学論集
和久利誓一訳
市民文庫


第二の日
エレンブルク、中村融訳
新潮文庫


兵卒イワーノフの回想
ガルシン、中村融訳
創元文庫


信号
ガルシン、中村融訳
世界文庫


芸術におけるわが生涯(全3)
スタニスラフスキー、蔵原惟人訳
岩波文庫

2005年09月22日

No.14

今回は、久々に春陽堂の文庫+揃い物文庫特集となりました。

「ハイネ・浪漫派」の「春陽世界文庫」は、戦後、昭和22年に出たB6版の文庫です。
「浪漫派」のほかに
ユゴー「一七九三年(上下)」
ゴーゴリ「検察官」
プーシキン「吹雪」
の総計4点・5冊が刊行されたようです。
本文は「世界名作文庫」の版型をそのまま使っています。
したがって紙が大きくなった分、ページの余白にやや余裕ある感じです。
今回掲載の当店所蔵本は状態が悪いですが、もともと紙質が悪いのでご勘弁下さい。
なお、「浪漫派」のほかに「一七九三年・後篇」も所蔵しているのですが、ハンパで売り物にならないので、「浪漫派」を御注文の方に、「おまけ」で差し上げます。

本日の新入荷品から


悩めるジャン・リュック
ラミュズ、石川淳訳
春陽堂世界名作文庫


ボルジア家
クラブント、富田幸訳
春陽堂世界名作文庫


爛酔
ストリンドベリ、舟木重信訳
春陽堂世界名作文庫


ウヰンダーミヤ夫人の扇
ワイルド、谷崎潤一郎訳
春陽堂世界名作文庫


二人画工
シェンキェーヴィチ、内田魯庵訳
春陽堂世界名作文庫


ハイネ・回想録
多田利男訳
春陽堂世界名作文庫


ワン・ゴォホの手紙
ゴッホ、木村荘八訳
春陽堂世界名作文庫


蘭西短篇集
森鴎外訳
春陽堂世界名作文庫


クラルテ
バルビュス、佐々木孝丸訳
春陽堂世界名作文庫


サランボオ
フロベール、生田長江訳
春陽堂世界名作文庫


イギリスの読本
水野葉舟
春陽堂文庫


発明五十万年物語
渡邊軍治
春陽堂少年文庫


紅太郎捕物帖
土師清二、今村恒美装画
春陽堂文庫


ハイネ・浪漫派
石中象治訳
春陽世界文庫


遙かに狂乱の群を離れて(全2)
トマス・ハーディ、宮島新三郎訳
春陽堂世界名作文庫


経済学原理(全5)
J・S・ミル、末永茂喜訳
岩波文庫


右門捕物帖(正続・全7冊揃)
佐々木味津三
春陽堂文庫


ジイドの日記(全6)
新庄嘉章訳
新潮文庫


人性論(全4)
ヒューム、大槻春彦訳
岩波文庫

2005年07月05日

No.13

フランス装の岩波文庫があることをご存じでしたか?
私は恥ずかしながら知りませんでした。
ジェブの「古代希臘文学総説」は、よくある本ですが、装幀がおなじみの岩波文庫とは全然違うので、初めて見たときは「???」でした。
中身は岩波文庫そのもので、奥付にも何の説明もないので、「手製本かな?」と思いましたが、裏表紙にはおなじみ岩波マークが刻印されているので、岩波書店が著者用に作ったものなのでしょう。
フランス装の「セオリー」通り、ページはアンカットです。

岩波文庫の特製本といえば、私の文庫仲間だった古書店・火守文庫さんが発掘した革装に金の背文字が押されたものもありました。こちらは斎藤茂吉校訂の「金塊和歌集」と「新選秀歌百首」でした。
特装本ついで−といってはなんですが、角川文庫の特装本も掲載しました。
一部の句集・歌集に限って、クロス装上製本カバー付き、著者の署名入りで少部数つくられたものですね。
こちらは数は少ないにしても、その存在はみなさん先刻ご承知でしょう。

2005/7/6追記
「フランス装の岩波文庫」ですが、高橋啓介氏の「珍本古書」に「岩波文庫の異装本」として載ってました。
ただし、「白い紙装」「アンカット」「裏表紙に壺型岩波の空押し」という特徴は一致するのですが、「普通の奥付はない」という点は異なります。当店所蔵の特装本は全く通常の奥付です。
高橋氏の紹介しているのはロマン・ロラン「ベートーヴェンの生涯」(昭和14年3月・20部)とブールジェ「弟子」(昭和16年1月・50部)の2点。
当店所蔵の「古代希臘文学総説」は昭和14年3月ですから、ほぼ同時期でも、何パターンかあったのでしょう。部数も恐らく同じ程度でしょう。

本日の新入荷品から


古代希臘文学総説
ジェブ、木下正路訳
フランス装の特装版岩波文庫


石田波郷句集
上製本カバ付の特装版角川文庫
石田波郷の毛筆句・署名入


新輯百鬼園俳句帖
内田百??
旺文社文庫


メァリ・バートン(上下)
ギャスケル夫人、北澤孝一訳
世界古典文庫


ピーター・パン
ジェームズ・バリ、宍戸儀一訳、硲伊之助挿絵
小山書店少年世界文庫


人形の家
イプセン、飯田豊二訳
新文社世界名著物語文庫
カバ付


薄倖の少女
ツルゲーネフ、衛藤利夫訳
新潮社ヱルテル叢書


ハックスレイ・エッセイ集(全2)
オルダス・ハックスレー 橋口稔・前川祐一訳
現代教養文庫


魔像
林不忘
第三次新潮文庫


頼山陽とその時代(全3)
中村真一郎
中公文庫


アンドロクリーズと獅子
バーナード・ショウ、市川又彦訳
角川文庫


ガザに盲いて(上下)
オルダス・ハックスレー、本多顯彰訳
新潮文庫


バラントレイ卿
スティーブンソン、西村孝次訳
角川文庫


幸福な王子−ワイルド童話全集
西村孝次訳
新潮文庫


春陽文庫の作家たち
(春陽文庫解説目録)
1969年7月現在


完訳エリア随筆(上下)
ラム、平田禿木訳
新潮文庫
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