2004年12月26日

No.10

はじめに実務的な御連絡を二つ。

■前回の目録に関し「『阿蘭陀組曲』が2万円で『禁断の愛』が7千円は、少し値付けがおかしいのではないか?」との御指摘をいただきました。

古本屋は「値付けのことは言わぬが華」、間の抜けた値付けの方が商売上よろしい、などとも申します。が、あまり不信感を持たれると営業上マイナスですので、チョットだけ検討してみましょう。

一年前でしたら「阿蘭陀組曲」より「禁断の愛」を高く評価するのが妥当だったでしょう。
問題は、現在では藤原書店「ゾラ・セレクション」の一冊「愛の一ページ」として新訳版が4000円で簡単に手に入ること、また論創社「ルーゴン・マッカール叢書」の一冊として近刊予定(こちらは3000円程度か?)であること。
つまり、今後しばらくは「読もうと思えば読める」状況が続くだろう事です。
(それゆえ当店が古書市場で落札できたのかもしれないのですが・・)

もちろん、だからといって「禁断の愛」の希少性が損なわれるものでもありません。
「愛の一ページ」の訳者も、この文庫本を「貴重」と書いているくらいですから。

これらのことを価格の上でどう評価するか−ですよね。

一方、「阿蘭陀組曲」は、戦前の龍星閣の二冊の初版本か角川文庫しかなく、今後も復刊の可能性は低いでしょう。戦前の初版本二冊を美本で買おうと思ったらいくらかかるか−は、かなり重要な判断材料でしょう。

ま、そんなわけで、まんざらデタラメに値段を決めているわけでもないのデス。

■次に、販売方法について。

文庫新着品の販売について「先着順」と「重複注文は抽選」の間を揺れ動いてまいりました。
が、「先着順は結局不公平」との御指摘をいただいており、「人気作品だけでも抽選にできないか」との御意見もありました。
両方式併用は煩雑になりますので、以後は、掲載品の内容に関わらず、更新の翌日24:00締め切りの抽選方式で統一したいと思います。

■それでは、例によりまして本日の新着品について補足点を少々。

新潮文庫「百鬼園随筆選」。
「そんなのいくらでもあるぞっ」と怒られそうですが、問題はパラピン紙カバーです。

パラピン紙に帯が印刷されています。

昭和17年頃の新潮文庫に、このような仕様があるとは、話には聞いていましたが、私は初めて現物を見ました(忘れてるだけかも?)。
同じく新潮文庫の小栗風葉「恋ざめ・恋慕ながし」も昭和17年(2月1日付)なのですが、こちらは普通の帯とパラピンカバーでした。「百鬼園」は4月1日付の発行なので、この間に切り替わったのでしょうか?
用紙統制の影響で、こういう仕様になったのか。どのくらいの期間続いたのか。

この件につき、詳しいことをご存じの方は、御教示下さい。
次回にでも、この場で紹介させていただきたいと思います。

創元文庫「日本詩人全集 全11巻」。
バラでよく見かけるので軽く見られがちですが、これだけの作家を網羅した詩人全集は、文庫に限らず他にありますかね。
新潮社「日本詩人全集」でも(いちいち付き合わせわけではないが)及ばないのではないか。

新潮文庫、角川文庫、中央公論社、新潮社など詩人全集かずかずあれど
平戸廉吉、左川ちか、瀧口武士、神原泰などなど、こんな人たちの作品が文庫で読めるなんて・・。
編者の顔ぶれだけでも「○○詩人全集」ができてしまいそうな・・。

本日の新入荷品から

百鬼園随筆選
内田百??
新潮文庫
パラピンカバーに帯印刷


五代友厚
直木三十五
博文館文庫


雲霧閻魔帳
吉川英治
新潮文庫


心驕れる女(全2)
佐藤春夫
春陽堂日本小説文庫


終編金色夜叉
小栗風葉
新潮文庫


恋ざめ・恋慕ながし
小栗風葉
新潮文庫


月へ行く道
北原白秋
新潮文庫


どぜう地獄
岡本一平
春陽堂文庫

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