2006年11月24日

No.21

今回もたいした入荷品はないのですが、当店の存在を忘れられるといけないので、ご挨拶がわりに。

今回の話題は新潮文庫の「ブレイク詩集」なのですが、初版で、発行が昭和18年となっています。
御承知のとおり、ブレイクはロンドン生まれで、どっからどうみてもチャキチャキの英国人なわけですが・・・
はじめて気がついたのですが、「戦争中でも英米文学の新刊は出ていたんだ!」

ドイツやフランス(ヴィシー政府)は友好国ですから、戦争中でも外国文学の新刊はたくさん出ていたのは承知していますが・・。
以前、テレビで「丸山真男の生涯」みたいな番組を見ていたら、丸山氏が影響を受けたE・H・カーの「平和の条件」という本に出会ったのは終戦間際の広島の古本屋だったとか。
古本屋では戦争中も英米の思想書が堂々と売られていたことがわかるわけですが、新潮社ともなれば、そうはいかないものと思い込んでました。
調べてみると
昭和18年、新潮文庫の新刊は・・・
「ドン・キホーテ」「ゲーテ格言集」 これはO.K.
ハムスン「土の恵み」 これはノルウェー文学で、ドイツの勢力圏だからO.K.
「バンビの歌」 ザルテンはハンガリー生まれでドイツで活躍、このときはアメリカに亡命中ですが、まあ、そんな細かいことはよろしい。ドイツ文学だからO.K.
オールコット「良き妻たち」  やや!これも英米文学ですね。

この頃、出版の所轄官庁は内務省? 内閣情報局?
どちらにしても、あまり細かいこと言わないみたいです。
もっとも、どちらも文庫としては新刊でも、書籍タイトルとしては再刊になるわけですから、文庫はノーマークなのかも知れません。

本日の新入荷品から


ユリシーズ(全5)
ジョイス 安藤一郎ほか訳
岩波文庫


マンドラゴラ
マキアヴェルリ 大岩誠訳
岩波文庫


作家の日記(全6)
ドストエフスキー 米川正夫訳
岩波文庫


ナバブ−パリ風俗(上下)
ドーデー 河合亨訳
岩波文庫


ジェニー・ゲルハート(上下)
ドライサー 高垣松雄訳
(第三次)新潮文庫


ブレイク詩集
入江直祐訳
(第三次)新潮文庫


ワイルド詩集
日夏耿之介訳
(第三次)新潮文庫


神々の死(上下)
メレジュコフスキー 米川正夫訳
(第三次)新潮文庫


或る平手打ちの話
アルツィバーシェフ 米川正夫訳
世界文庫


オスカー・ワイルド
ジイド 中島健蔵訳
世界文庫


ユリシーズ
ジョイス 伊藤整訳・解説
名著研究文庫


女優クララの死
ツルゲーネフ 米川正夫ほか訳
角川文庫


コルネリの幸福
ヨハンナ・スピリ 野上弥生子訳
角川文庫


セヴァストーポリの石
ソヴィヨフ 袋一平訳
青木文庫


人形の家
イプセン 赤木春之編
あかね叢書


ベートーヴェンよりマーラーまでの交響曲
ベッカー 武川寛海訳
音楽文庫

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